「槐夢堂」管理人・安芸明石の日常から趣味まで無節操に綴ろうとしたら大半がアニメ・漫画の話になっちゃう残念ブログ。更新頻度低下中
No.1537
2012/01/16 (Mon) 22:08:00
月曜一限の授業が、毎回お題に沿った文章作品を書く、という授業なのですが、
年末から持ち越されていたお題作品を今日発表し、やたら好評を得ました!
私込みの七人(授業自体は十五人弱いる)で五作品を吟味し、多数決で一番を選びます。
選ばれた作品は授業内で朗読され、さらに軽い講評もしてもらえます。
自分の書いたの人に声出して読まれるとか初めてだわー恥ずいわーとか思いつつ、
ニヤニヤ気分で朗読・講評を聞き終えたところで、先生からまさかのフリ。
「じゃあ安芸さん、この作品について何か一言」
なんも用意してない。
アドリブに弱い私ですのでなんか意味のないグダグダな喋りを繰り広げる訳です。
そして見かねて出された助け舟。
「あのお題から、どうしてこういう話にしようと思ったの?」
言える訳がない。
個人的にBASARA三成の悲恋夢が流行ってたからです
なんて言える訳がない。
結局そこも下手くそにごまかしたので、一貫してグダグダトークを展開しただけでした。
で、その作品を続きに格納しておきます。
読んでみるとなんやかんや三成関係ない。
年末から持ち越されていたお題作品を今日発表し、やたら好評を得ました!
私込みの七人(授業自体は十五人弱いる)で五作品を吟味し、多数決で一番を選びます。
選ばれた作品は授業内で朗読され、さらに軽い講評もしてもらえます。
自分の書いたの人に声出して読まれるとか初めてだわー恥ずいわーとか思いつつ、
ニヤニヤ気分で朗読・講評を聞き終えたところで、先生からまさかのフリ。
「じゃあ安芸さん、この作品について何か一言」
なんも用意してない。
アドリブに弱い私ですのでなんか意味のないグダグダな喋りを繰り広げる訳です。
そして見かねて出された助け舟。
「あのお題から、どうしてこういう話にしようと思ったの?」
言える訳がない。
個人的にBASARA三成の悲恋夢が流行ってたからです
なんて言える訳がない。
結局そこも下手くそにごまかしたので、一貫してグダグダトークを展開しただけでした。
で、その作品を続きに格納しておきます。
読んでみるとなんやかんや三成関係ない。
これは、来世へと引き継ぐ、「私」たちの記憶の物語。
「今生では、もう何も望みますまい」
夢のように霞む光景の中、そう言って、何度死地に赴く「あなた」を見送ったか知れない。
日本戦国武将の着た黒糸縅の当世具足、古代ローマ兵のロリカ・セグメンタータ、果ては名も知らぬどこかの部族のまとう簡素な物まで、「あなた」は一度たりとも同じ鎧を着ていなかった。いや、見た目に共通する部分は一切なかったというべきか。黒髪だったり、青い目を持っていたり、黒い肌をしていたり……
それはおそらく、いつだって見送るばかりの「彼女」もそうだったに違いない。「彼女」は私の目を持っていて、ゆえに姿こそ見えず腕がたまに映るくらいだったが、察するに出陣を目前に控えた戦士たちの妻であった。
姿が変わる一方、常に同じだったのは、「あなた」がいつも敗軍の将であったことと、一人残される「彼女」が必ず「あなた」の手を握り締め、その上に血涙を落としたこと。それから、「今生では、もう何も望みますまい」という「彼女」の涙交じりの言葉。
古今東西、あらゆる戦に阻まれ、叩き壊され、離ればなれにされたのは、二人の愛。
極限まで軽量化を図った防弾スーツと、光線銃の強烈な光からも目を守る特殊ガラスがはめ込まれたヘルメット。その姿で型落ちの光線銃を携え、あなたは私の前から飛び立った。
空は間もなく、最前線に向かうバイクで埋め尽くされた。あなたのバイクがどこを飛んでいるのか、もう私には見分けがつかない。超高層ビル群の壁に反響していたエンジン音は、五分も経たずに消えた。
わずか五キロメートル先では、幾百もの光線銃が、サーチライトで明るくなった夜空をさらに明るく照らしている。
私たちは戦場を遠くに見るビルの陰で後方支援に奔走している。敵か味方か、標的が打ち砕かれる音が、ビルのひとつひとつにぶつかり不気味な木霊としてここまで届いてくる。第一陣から第三陣までは、どれだけの戦果を上げたのだろう。
頭上を飛び越えて戦地へ急ぐライダーたちは皆、子供と呼ぶべき少年たちばかりだった。
戦局不利を通り越し、敗色濃厚。
エネルギーの充填を終えた光線銃を受け取った少年は、まだ十五にもなっていないだろう。
エネルギー切れの光線銃を捌く私の両手には、つい先程固く握り合ったあなたの手のぬくもりが今もまだくすぶっている。その手を頬に宛がえば、その温度をはるかにしのぐほどの熱い涙に濡れる。
ああ、「あれ」は、私の前世の記憶だったのか。袖で乱暴に涙を拭った。
果てのない輪廻の輪の中に飲み込まれ、私が「彼女」に同化していく。
――今生では、もう何も望みますまい。
そう呟いた声は、私の物だったのか、それとも「彼女」たちの物だったのか。
次の世では、きっと二人で幸せになろう。
互いにそう約束を交わして、「私」たちはこれまで数え切れないほどの別れを忍んできた。
「二世の契り」などという言葉では到底生ぬるい、百世が経とうと変わらない誓い。右も左も分からない百歳の闇を一人行くその先で、必ず再びめぐり逢う、そんな夜明けが来ると信じている。
願わくは次こそ、結んだ手と手にこぼれる涙の色が、幸福に満ちていますように。
まさか朗読されることになるなんて思っていなかったので、
決して造語ではないのですが「なんて読むのコレ」的な部分があっても堪忍。
ていうか実際それで凄く苦労しました、朗読担当の子との軽い打ち合わせ中に。
「今生では、もう何も望みますまい」
夢のように霞む光景の中、そう言って、何度死地に赴く「あなた」を見送ったか知れない。
日本戦国武将の着た黒糸縅の当世具足、古代ローマ兵のロリカ・セグメンタータ、果ては名も知らぬどこかの部族のまとう簡素な物まで、「あなた」は一度たりとも同じ鎧を着ていなかった。いや、見た目に共通する部分は一切なかったというべきか。黒髪だったり、青い目を持っていたり、黒い肌をしていたり……
それはおそらく、いつだって見送るばかりの「彼女」もそうだったに違いない。「彼女」は私の目を持っていて、ゆえに姿こそ見えず腕がたまに映るくらいだったが、察するに出陣を目前に控えた戦士たちの妻であった。
姿が変わる一方、常に同じだったのは、「あなた」がいつも敗軍の将であったことと、一人残される「彼女」が必ず「あなた」の手を握り締め、その上に血涙を落としたこと。それから、「今生では、もう何も望みますまい」という「彼女」の涙交じりの言葉。
古今東西、あらゆる戦に阻まれ、叩き壊され、離ればなれにされたのは、二人の愛。
極限まで軽量化を図った防弾スーツと、光線銃の強烈な光からも目を守る特殊ガラスがはめ込まれたヘルメット。その姿で型落ちの光線銃を携え、あなたは私の前から飛び立った。
空は間もなく、最前線に向かうバイクで埋め尽くされた。あなたのバイクがどこを飛んでいるのか、もう私には見分けがつかない。超高層ビル群の壁に反響していたエンジン音は、五分も経たずに消えた。
わずか五キロメートル先では、幾百もの光線銃が、サーチライトで明るくなった夜空をさらに明るく照らしている。
私たちは戦場を遠くに見るビルの陰で後方支援に奔走している。敵か味方か、標的が打ち砕かれる音が、ビルのひとつひとつにぶつかり不気味な木霊としてここまで届いてくる。第一陣から第三陣までは、どれだけの戦果を上げたのだろう。
頭上を飛び越えて戦地へ急ぐライダーたちは皆、子供と呼ぶべき少年たちばかりだった。
戦局不利を通り越し、敗色濃厚。
エネルギーの充填を終えた光線銃を受け取った少年は、まだ十五にもなっていないだろう。
エネルギー切れの光線銃を捌く私の両手には、つい先程固く握り合ったあなたの手のぬくもりが今もまだくすぶっている。その手を頬に宛がえば、その温度をはるかにしのぐほどの熱い涙に濡れる。
ああ、「あれ」は、私の前世の記憶だったのか。袖で乱暴に涙を拭った。
果てのない輪廻の輪の中に飲み込まれ、私が「彼女」に同化していく。
――今生では、もう何も望みますまい。
そう呟いた声は、私の物だったのか、それとも「彼女」たちの物だったのか。
次の世では、きっと二人で幸せになろう。
互いにそう約束を交わして、「私」たちはこれまで数え切れないほどの別れを忍んできた。
「二世の契り」などという言葉では到底生ぬるい、百世が経とうと変わらない誓い。右も左も分からない百歳の闇を一人行くその先で、必ず再びめぐり逢う、そんな夜明けが来ると信じている。
願わくは次こそ、結んだ手と手にこぼれる涙の色が、幸福に満ちていますように。
まさか朗読されることになるなんて思っていなかったので、
決して造語ではないのですが「なんて読むのコレ」的な部分があっても堪忍。
ていうか実際それで凄く苦労しました、朗読担当の子との軽い打ち合わせ中に。
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